マンション管理,防犯,防災の東急コミュニティー関西事業部

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「心臓震盪の啓蒙」とこども救命講習研修会の開催

心臓震盪という聞きなれない言葉が、実は、マンションにおいてはいつ起こってもおかしくない症例であり、一刻を争う事態に適切な対応がとれる人材を育成していくことが重要です。これは、CPR(心肺蘇生法)やAED(自動体外式除細動器)のことを、知っているだけで終わらせず、実施や使用ができるというレベルにまで引き上げないといけないと改めて考えさせられました。また、このことを住民の一人でも多くの方にお伝えしていき、お住まいの安全レベルを上げていくことも管理会社にとって重要な使命だと考え、取り組みを始めております。

研修会の実施

2007年9月に、関西地域の4つの会場において、社員およびアメニティーメイト(管理員)を対象に研修会を開催しました。  研修会には、外部の講師をお招きし、約1時間の講義をしていただきました。講義の構成としては、ビデオ上映・心臓震盪について・救命手当と応急手当・CPRの重要性・AEDの有効性と使い方などを、単なる一方的な講義ではなく、実地体験も加えた充実した内容でおこないました。

心臓震盪(しんぞうしんとう)から子供を救おう

子供の突然死の原因の1つに「心臓震とう」があります。
元気な子供の胸部に比較的軽い衝撃が加わった直後に心臓が停止して倒れてしまうのです。

◆これは病気なのでしょうか?

「心臓に加えられた機械的刺激により誘発された突然死」と認識されており、外傷(ケガ)の一種です。

◆どのような子供に起こるのでしょうか?

もともと心臓の病気がない子供に起こります。ですから事前の健康診断などで発生の危険を予測することはできません

◆どんな時に起こるのでしょうか?

胸に当たった衝撃の強さではなく、心臓の動きのリズムの中で、あるタイミングで衝撃が加わった時に起こります。典型的な経過では、胸にボールが当たり、そのボールを拾うなどの動作が数秒間みられ、その後倒れ心臓が止まってしまうというのがあります。しかしながら、スポーツ以外では、子供同士の遊びの中で肘や膝などが当たるとか、しつけのつもりの体罰などでも起こっていることから、何か特別な状況で起こるのではなく、ごく普通の生活の中で起こっていることに注意しなければなりません。※あるタイミングとは、心臓が血液を送り出すために収縮するほんの一瞬です。

◆どうなってしまうのでしょうか?

心臓震とうで心停止してから3分以上たつと、救命が難しくなります。

◆どうすればいいのでしょうか?

一刻も早くAED(自動体外式除細動器)による電気ショックをかけることが重要です。AEDが準備できるまで、又は、救急隊が到着するまで心臓マッサージ(胸部圧迫)を行うことが大切です。

◆防ぐことはできるのでしょうか?

起こりやすいスポーツや状況はわかっていますから、注意することによって発生を減らすことが可能です。

@「安全に遊ぶためのルールを守る」
小さな子供が遊んでいる近くではキャッチボールをしたりバットを振ったりしない、バットを振っている人には近づかないなどのルールを守れば、これらの事故は防止できるはずです。
A「頭と同様に胸も守る」
胸を守る工夫として、胸部プロテクターを着けて練習をさせるなどが有効です。胸を守る工夫無く、“取れないボールは胸でとめろ”という指導は小さい子供には危険性があります。
B「胸を打つと危険、と子供に教える」
子供は頭を殴ったりすると危ないことは知っていても、胸を軽く打つことがそれほど危険なことだとは思っていません。しかし、何気ない遊びの中で心臓震とうによる死亡事故は起こっています。人の胸を突くとか、悪ふざけで殴ってしまうなどはありがちなことですが、その危険性を子供たちに教えてください。もちろん、子供に教える以前に、大人もこのことをしっかり認識することが必要です。
C「命の大切さを知り、CPR(心肺蘇生術。心臓マッサージおよびAED)を積極的に学ぶ」
突然死から子供を救うためにはCPRとAEDによる一刻も早い除細動が必要です。それを行うことができるのはその場にいる人たちです。病院へ搬送していては間に合いません。また、遊びの現場には子供だけしかいないことも多いので、子供にも積極的にCPRと命の大切さを教える必要があります。

心臓震盪(しんぞうしんとう)に関する情報

1.心臓震とうとは

心臓の筋肉がけいれんを起こして、血液を送り出せない状態です。つまり、心臓が止まっているのと同じ状態です。頭をぶつけて一時的に意識を失う「脳震とう」は命に関わることはありません。同じ「震とう」という言葉を使っていても、心臓震とうは突然死をもたらす重篤な事態です。

2.症例

2002年に米国の専門化が同国において128例を報告。このうち、野球のボールやソフトボールなど「スポーツの道具」によるものが87例。膝・脚・肩など、運動中の「身体の衝突」によるものが19例。親のしつけをはじめ「日常生活や遊び」の中で発生したのが22例だった。

  • <日本での心臓震とうによる症例事例>
  • ・両親の夫婦喧嘩仲裁の際、母親の肘が娘の胸部に当たり心停止。(2002年)
  • ・小学1年の男児の胸に、上級生が振ったバットの先が当たり心停止。(2006年)
  • ・高校野球の試合中に相手打者のボールを胸部にうけ心停止。(2007年)     等々
3.有効手段

心臓震とうの治療には、その場で一刻も早く「AED(自動体外式除細動器)」を使用して電気ショックをかけることが重要な救命手当です。AEDが準備できるまではCPR(心臓マッサージと人工呼吸)を行うことが重要です。

  • ※ 現在の救急法では、人工呼吸が出来なければ、しなくて良いことになっています。
  • ※ 突然意識を失って倒れた人を蘇生させるための救命手当は、 心臓マッサージだけで
    効果があり、従来勧められてきた人工呼吸は必要ないことが報告されています。
    (2007年9月毎日新聞)

Q&A

Q1 応急手当と救命手当とは、どう違うのか?
応急手当とは...
打撲や骨折などの直接すぐに生死に関わらない病気やケガの手当
救命手当とは...
心臓停止という最悪の状況下における蘇生を助けるための手当。
CPRやAEDの使用など。
Q2 救命手当をしたとして、もし状態を悪化させてしまったら?

呼吸がなく、心臓が動いていないということは、救急車が到着するまで何もしなければ亡くなるので、それ以上悪くなることはありません。

Q3 救命手当の結果で、逆に訴えられてしまったら?
刑法第37法(緊急避難時)
救命手当は、「社会的相当行為」として違法性を問われず、故意もしくは重過失でなければ法的責任はありません。
民法第698条(緊急事務管理)
管理者は、本人の身体、名誉または財産に対する緊迫の危害を免れさせるために事務管理をした時は、悪意または重過失がない限り、善意で実施した救命手当の結果に、救命手当の実施者が被災者などの責任を問われることありません。

研修会講師

すまいる社こども救命講習センター(「心臓震とうから子供を救う会会員」)
代表 前田祐宏   TEL 072-250-0309  E-MAIL kiiteyo@juno.ocn.ne.jp
〒591-8023 大阪府堺市北区中百舌鳥町6丁998-3、2-812   

参考文献および資料

○ 「AEDを、使ってください」 輿水健治著 保健同人社出版
○ 「心臓震とうから子供を救う会」作成冊子

PDFファイル

○ 簡単ワンポイントCPR(心肺蘇生法)→PDFファイルダウンロード
○ AED使用上の7つのポイント→PDFファイルダウンロード